もっと欲望に忠実に生きたい話

ああむしゃくしゃする! 私はいまとっても行方不明な気持ちだ。自分の感情をどこに向けていいかわからない。 いや、わかっているかもしれないのだけど、どう向けたらいいかわからないと言ったらいいだろうか。 世の中にはすごい人たちがたくさんいる。 テレ…

「ひとり」に焦がれて

掃除はとても大事だ。どれくらい大事かというと、掃除をしないとなんだかよくわからない菌が湧いて病気になったり、精神的に不安定になったり、なにも手につかなくなったりする。 身の回りが散らかっていると心の置き場もなくなって、安定しないんだと思う。…

昼休みの音楽会

SS

二人きりになると、「なんか弾いて」とおねだりする。そうすると成太はだいたい楽しくて盛り上がるような曲を弾いてくれるんだけど、それはあんまり好きじゃない。だから一度止めて「お前が弾きたいのを弾いて」と言うと、成太はようやくその時弾きたいもの…

瓶詰めの死

中学生くらいのころから始めた習慣がある。 朝起きたらまず鍵のかかった机の引き出しを開けて、瓶を取り出す。それから枕元に落ちている髪の毛を拾い集める。丁寧に、一本ずつ。集めた髪の毛を瓶に詰めてもとあった机の引き出しにしまって、再び鍵をかける。…

花束を私に

あの、大丈夫ですか。 しとしとと雨が降る道端に佇む男性に思わず声をかけてしまったのは、その人があまりにも悲壮な顔を、まるで今すぐにでも車道に飛び出していくんじゃないかというような顔をしていたからだった。真っ黒な傘をさして真っ黒なスーツを着て…

マジでいじめられっ子でご飯が食べられなくなった話

生まれた時からゲイだった よく「いつからゲイなの?」と聞かれる。あらためて聞かれると困るというか、いつからという明確なものがないので「生まれた時から」と答えているが、わりと正解なんじゃないかなーと最近思う。 自分は男が好きだと明確に意識し始…

神様、お願いします。

「自分が周りと違うことについて、違和感を持たなくなったのはいつから?」 そう聞かれて戸惑う。たしかに、昔は感じていた違和感は気が付いたら消えてしまっていた。これまでの俺はそれを当然のことのように受け止めていたけれど、よく考えてみればおかしな…

「悲しい」と「さみしい」

私は学生のころ先輩につれられて、とあるサロンに通っていた時期がある。そのサロンは商店街から少し外れたところにあるこじんまりとした店で、ドアのガラスから透けて見えるカウンターには店主の大柄な女性がいつもニコニコと笑いながら座っていた。大輪の…

夢を追う

だからさあ、俺は頑張ってたわけよ。なのにどうしてこうなっちゃうかなあ。俺の何が悪かったんだと思う。顔をアルコールで真っ赤にして管を巻く友人の言葉を聞きながら、自分も一口酒をあおる。そして今回の彼の落ち度を考える。特に思い浮かばないので「飽…

パーティーに僧侶がいない

久しぶりに書きたいことができたのでブログを開いたら、前回の更新が半年以上前だった上に前編で終わっていることに愕然とした。ていうかもう冬だ、あと一ヶ月と半月で今年が終わる! 思わず「昔はもっと季節が過ぎゆく速度が遅く思えていたのに」と口ずさん…

男子と触れ合う東京ツアー ―前編―

天気は上々、荷造りもバッチリ。 週末から東京へ三泊四日で旅行してきた。気になるイベントがあってどうしようか迷っていたのだが、我が人生の師と仰ぐ人に「お前もこいよ」と呼ばれてはせ参じたのだ。 ついでに友だちのところに泊まりにいく予定もたてて、…

笑っちゃいけないと思うほど笑いはこみ上げる

はっと目が覚めると午前5時だった。当然外は真っ暗だ。 ぬくぬくと布団に体をうずめながら「やれやれ、寝なおすとするか」と、瞳を閉じてはや1時間。 寝れない! 睡魔が帰ってくる気配なし! 最近明け方に目が覚めて、眠れずにそのまま起きるパターンが増え…

湯船にとける嫉妬心

久しぶりに湯船に湯をはった。実家で暮らしていたころは風呂を洗って湯をいれるのが私の家事のひとつだったし、家族がみんな風呂好きなので毎日のように湯船につかっていたが、一人暮らしを始めてからは月に一回あるかないかだ。 シャワーですませたほうがガ…

私と「マザーズ スピリット」

異文化交流バンザイ!! 今の私はこう叫びたい気分である。なんたってこの「マザーズ スピリット」は、辺境の部族の青年と日本人青年がいい感じになっちゃう物語なのだ。 マザーズ スピリット (Charaコミックス)エンゾウ 徳間書店 2015-11-25売り上げランキ…

カボチャの馬車で迎えて

人間の最大の矛盾は、小腹がすいたときにお菓子を食べたいけどそれをすると晩ごはんが入らなくなるところにあると思う。 空腹は最高のスパイス。耐えることでおいしく晩ごはんが食べられると思う一方で、お腹がすいたからちょっとなにかつまんでもと誘惑に負…

いざ行かん無我の境地

年をとると時間が経つのが早くなるというが、今まさにそれを体感している。 私二月の間なにしてたっけ。なんだかぼーっとしてたらあっという間に終わってしまったような。バレンタインにチョコを爆買いしてドカ食いしたところまでは覚えているんだが、次の瞬…

ほろ苦くても恋

バレンタインデイキッス、バレンタインデイキッス♪ ショッピングモールに流れる楽しげな音楽に合わせて、チョコレートを物色する人たち。バレンタイン間近のとある日、私はチョコレートを買いにきていた。 もちろん渡す相手は私自身だ。私は自分を愛している…

観光ポイントは現地男子

ここ二ヶ月ほど旅に出ていた。ようやく家に帰ってこれて、ホームの温もりをかみしめているところだ。私は一人暮らしなので家を温めていてくれる人などいないのだが、慣れ親しんだものに囲まれているというだけで心が落ち着く。 それでここのところ「やっぱり…

最強おばさん列伝

私が日本に生まれてよかったなと感じるのは、同じ出来事でも季節によってまったく違う姿を見せてくれる時だ。 例えば冬の雨上がりは、空気が冷たく澄んでとても気持ちいい。ひんやりとした空気を大きく吸い込むと、体の内側が洗い流されるような気分になる。…

世界は手の届く範囲に置いておきたい

とうとう冬がやってきた。布団の中がぬくぬくと居心地のいい季節だ。 あと少し、もう少しと布団にこもっているうちに起きなきゃいけない時間を過ぎて……なんて日常茶飯事なのではないだろうか。 もう目が覚めているのに、布団をめくったとたんにひんやりとし…

ラブのつくホテルはもう少し地味に

夜更かしを続けていたら、だんだんと眠りにつく時間が遅くなり、気が付けば明け方まで眠れなくなった。 このままではマズいと、一晩寝ずに生活習慣をなおそうとしているのだが、結局変な時間に寝てしまう。おかげで狂った生活習慣のまま暮らす日々だ。 かく…

夢の彼

寒くなってくると布団から出るのが億劫だし、ついつい朝寝坊してしまう。惰眠をむさぼっているといろんな夢を見て、これが案外楽しいのだ。 私は自分の夢が好きだ。私の夢はいつもどことなくファンタジーで、茫漠とした世界の広がりを感じさせてくれる。たと…

私と「SNEAKY RED」

愛は思わぬところから、殴りつけるように降ってくるものなのかもしれない。残酷に暴力的に降りしきる雨だって、最後には大地を潤し晴天を連れてくるのだ。 と、いい感じに言ってみたが、この作品はただの暴力からはじまる。しかも容赦ない一方的な暴力だ。さ…

痛みだって思い出さ

▽今週のお題「私のテーマソング」 小さい頃、私の家のまわりは田んぼだらけだった。近道のあぜ道を通りながら自作の歌をいつも歌っていたので、家に帰ると母に「ああ、アンタが帰ってきてると思ったわ。今日はなんの歌だったの?」と笑われる始末だ。 中学校…

一人また一人と消えていく

太陽はしぶとく夏にしがみついていながらも、風が着実に秋をはこんできているこのごろ。みなさまいかがお過ごしでしょうか。 今日は季節はずれの、背筋が「ゾッ」とするお話をいたしましょう。 それは私が友人とLINEでやりとりしていたときのことでした。 友…

岸本さんの愛の深さにシャッポを脱ぐ

見事討ち死にを果たした。 螺旋丸にハート(心臓)をぶち抜かれ、木の葉隠れの里の大地を全身で味わっている。うおお、ボルト、ナルト~、君たちはどうしてそんなにかっこいいの!君たちの魅力に私の全身はバイブのように震えているぞ! ピンポンパンポン♪ …

私と「海辺のエトランゼ」

私は今日、ついにボーイズがラブする漫画に手をつけてしまった。 いや、以前からちらちらと見たりはしていたのだ、興味が津々だったのだ。しかし明確にボーイズがラブしている本を買って読んだのは、これが初めてである。 一言で言えば、新世界だった。ホモ…

盆と正月はゲイの鬼門

私がいま一人暮らしをしている家は、実家から3、4駅ほど離れたところにある。電車で一本で帰れるので、「帰ってこい」という指令が母からくだるのも日常茶飯事だ。普段は面倒くさいのでアレやコレやと理由をつけて断っているのだが、さすがにお盆くらいは顔…

「あいつ私のことが好きだったんじゃないか」症候群

「はやく来てほしいから、きゅうりの馬で走ってこれるように」 「帰りはたくさんおみやげをもってゆっくり無事で帰れるように、茄子でつくった牛に乗って」 私はお盆が好きだ。別にお盆だからといって、きゅうりの馬や茄子の牛をつくるわけではない。しかし…

夏、海、男

ついに夏がやってきた。 今年の太陽はやたらと強くて、私の皮膚組織を殺そうとやっきになっているようだ。引きこもりの白い肌は、太陽の光にあぶられて悲鳴をあげている。 あまりにも暑いので、いっそのこと暑さ(熱さ?)を追求してやろうと、汗がほとばし…