その密着感と卑猥さがたまらんです
今日もアルバイトで塾の講師をしてきた。
直前で生徒が一人こないことが分かったので、「〇〇君今日はこないんだって、二人っきりだね?」と笑顔で言ってみたところ、「いや、そういうのいいッスわ…」と返されて切ない思いをした次第である。
なんだいなんだい!もうちょっとノリよくしてくれてもいいじゃないか!
ふてくされながら黙々と問題を解く彼の手元を見ていると、消しゴムに「イレイサー」と書いてあるのが目に入った。日本語と英語の語感の違いには、はなはだしいものがあると思う。
「イレイサー」という響きには、まるで武器であるかのようなスマートなかっこよさがあるが、日本語にすれば「消しゴム」だ。この響きからは、あの白くて四角いもっさりした文房具しか浮かばない。
もしかして海外の方からしたら、
「ワォ!『消しゴム』!?まるで敵を消すために生まれた平気のようじゃないか!!ソークール!!」
なんてことになるのだろうか。ならないな。
私の頭の中にいる、やたらとテンションの高いエセ外国人には、ご退場願おう。
そういえば、この間レギンスのことをうっかり「ももひき」と呼んだら、友人にしかられた。
なんだいなんだい!同じもんじゃないか!
しかし確かに、「ももひき」よりは「レギンス」と呼んだ方がおしゃれではある。ももひきを履いたファッションモデルというのは想像しがたい。
それともモデルだけあって、ももひきだっておしゃれに着こなして(履きこなして?)くれるのだろうか。それはそれで見てみたいものである。
レギンスと言えば、少し前に流行っていた「レギンス男子」なるものに、私は複雑な気持ちを抱いている。あのファッションはものすごく人を選ぶと思う。
まずいかにも女性的でほそっこい、飲み会でサラダばっかり食べてそうな男が身に付けるレギンスはNGである。なよなよした男が、さらになよなよとしたところで、私の心の琴線にはまったく触れぬ。
むしろ、「女の子っぽいファッションも似合っちゃうオレ、かわいいでしょ?」とか考えていそうでいただけない。そんなひよひよした男など、私が百万回殴って性根を叩きなおしてやる!
かといって、「晩飯は焼き肉にきまってんだろうがァ!」的な、たくましすぎる坊主頭のレギンス姿もあまり見たくない。アンバランスすぎるのだ。
例えるなら、口の中にトウガラシとアイスクリームを同時に入れて、さらにそこに納豆をプラスしたような感じだ。それぞれが個性を強烈に主張してきて、完全にそっぽを向いてしまっている。
おそらく私の脳みそは大混乱をきたし、受け入れ拒否ボタンを押すだろう。ていうか、トウガラシとアイスクリームと納豆を受け容れることができる味覚は、もはや壊れているといってもいい。
ちょっと話が逸れたが、というわけでたくましレギンス坊主もNGである。ていうか私はそもそも坊主があまり好きではないのだ。
青々とした坊主ではなく、いがぐり頭の少年なら大好きである。大体4㎝くらいからであろうか。バリカンで長さを調節できるらしいので、私の理想のいがぐり頭をつくってみたいものだ。協力してくれる人を募集しなければなるまい。
なんて言いつつも、個人的には頭が黒々していればオーケーだ。あとは背が低めで笑顔がかわいいとなおいい。いがぐり頭と言えばやはり野球なので、バットを振る姿が様になっていてドキリとさせられたい。
なんなら彼自身のバットをつかって、夜の素振りを手伝ってあげたい。ほら、もっと腰をつかうんだよ!
話が逸れたので軌道修正しようと思ったら、さらに話が逸れてしまった。
レギンスという衣類は男がつけるには難しいものだが、ここで私の理想とするレギンス男子を考えてみた。
あくまでも個人の好みなので、私のハートを射止めたい方はぜひとも狙ってほしい。いないか。
まず、レギンスとは女性的なものであり、甘いものである。そのため、甘いマスクは必須だ。できれば笑うと口が大きく横に広がって、柔らかい表情になる人がいい。
髪の毛は、少し伸びているくらいがちょうどいい。ストレートよりは、モフモフとした天然パーマで、「女性的ではない柔らかさ」があるとよい。あまりにも女性的すぎると、なよなよとしてきてしまうからな。
身長はあまりこだわらないが、できれば175以上あるのが望ましい。背が高いということは、ほぼイコールで足が長いということだ。きっとレギンス姿が引き立つに違いない。
足は細すぎてはいけない。レギンス効果で棒のように見えてしまうからな。かといってサッカー部のように頑強な足では風情がないので、普通の人より少し太いくらいがベストだ。欲を言えば、筋肉質すぎるよりも少しぷにっとしていた方がいい。
服装自体は、Yシャツなどのきっちりしたスタイルよりも、Tシャツにパーカーと言うようなラフなものがよかろう。
レギンスを履くようになるのは、ちょうど今夜のように空気が冷たくなってきた時期なので、季節感にも気を付けてほしい。ブラウン系の半ズボンにノルディック柄のレギンスなんてよいのではなかろうか。
素晴らしい、素晴らしいぞ。今年の秋はレギンス男子が(私の中で)はやるに違いない……!
ここまで一息に来てしまったので、きちんとまとめておくことにしよう。我ながら心遣いができることこの上ない。
・笑顔が柔らかで、笑うと口が大きく横に広がるような、甘いマスク。
・髪の毛は軽度の天然パーマで、すこし伸びてきているくらいがちょうどよい。
・身長は175センチ以上。
・足は少し太めで、筋肉質すぎずぷにっとした質感。
・ラフな中にも、季節感を忘れないおしゃれ感
以上である。こうして書くと、最初の顔のライン以外はそこまで難しくはないような気がする。私は甘いマスクではないし、髪の毛はストレートだし、身長は175もないので、条件を満たせないのが残念だ。
しかし世の中にはこの全てを満たす男子が居るに違いない。ていうか居る、私の身近にも居る。
考えてみるとば、レギンスとは素晴らしいファッションである。なぜ今まで気付かなかったのだろうか。
なにが素晴らしいかというと、男性の足にぴったりとフィットする密着感と、女性の衣類を男性が公然と着用しているという背徳感だ。
基本的に男は、あまり肌に密着する衣類を身に付けない。そのため「ラインが分かる服」を着ている男性を見ると、私はすごく興奮する。ぴったりしたボクサーパンツなどに興奮してしまうのもそのせいかもしれない。
特に足のラインに密着されると、シルエットだけわかって中の様子がわからないために、「それを見たい」という気持ちにさせられるのだ。
くうう、たまらんです!
そして女性用の衣類を身に付けている男性には、どことなく卑猥さがにじみ出るのだ。え、そんな卑猥さを感じるのは私だけだって?細かいことは気にするな。
だって、それはある種の女装なのだ。女性的でもなんでもなく、ノーマルな男の子が、日常的に女装をする。非日常のエロさがそこにある。
ふぅ、レギンス男子に対する期待が溢れすぎて、思わず語っちまったぜ。
レギンスはとても難しいファッションだが、それゆえに着こなせたときのメリットも大きいと思う。ぬきんでたおしゃれ度だ。
世にはびこれ、レギンス男子!