ずっと笑って3

SS

ずっと笑って ずっと笑って2 三日間こんこんと眠り続けた。大学に行って誰かと顔を合わすのも嫌で、狭い部屋の中で現実から逃げるようにひたすら布団の上でうずくまっていた。 しかしそんな生活にも限界がきた。どんなに落ち込んでいても喉は乾くし、腹は減…

イヤなゲイの話

私はその日夕飯をどうしようか悩んでいた。 コンビニ飯や惣菜ばかりでは味も栄養も偏りがちだ。でも自分で料理をするのはめんどうくさい。ちゃんと野菜も買ってくれば惣菜でも大丈夫な気はするが、惣菜は揚げ物ばっかりなのだ。 ただでさえ弱りがちな胃腸だ…

あなたのハートを銛で一突き

風邪をひいた。 涼しくなってきて調子に乗って窓を開けて寝たら、その次の日からのどの調子がおかしくなって、気がついたら咳が出るようになった。 でもまぁ大丈夫かなーと思いながらいつも通りに生活していたら、今度は頭痛がするようになって、最終的に食…

腹痛クライシス

アルバイト先が駅のすぐ近くにあるので、窓から新幹線乗り場や駅への道がよく見える。 私は働いてる間ボーッとしていることが多くて、そういう時はだいたい道ゆく人を眺めている。それなりに大きな駅なので、いろんな人がいて面白い。 学校帰りの学生は買い…

夢は最後までみたい

本日も実にへっぽこな一日であった。 朝九時に目を覚まして、「早起きしたぞ!」といい気分になって二度寝した。次に起きたのは十二時過ぎだ。 携帯を開いてみたら、後輩から「起きてますかー?」と連絡がきていた。午前中に用事があったのを、すっかり忘れ…

いけませんお兄さん、こんなところで…

知人の森ちゃんから連絡がきた。 「霞ちゃん次のお休みひま?」 「いまのところ予定ははいってない」 「ちょうどよかった!じゃあ霞ちゃんちで酒飲みながら鍋しよう」 おいおい、私はここのところ睡眠不足、食欲不振、腹痛の三重苦に襲われてるんだぜ? そん…

痛みもろとも抱きしめて

九月に入ってからというもの、家にこもりっきりだ。このままでは家の中でしなびてしまう。 引きこもりにうんざりしてスーツでもクリーニングにだそうかと出かけたら、お店がお休みだった。なんてこったい。 金土日は需要が増えるので値段を高くして、木曜日…

夏の夜外を歩くと虫が顔にぶつかってくる

朝晩がずいぶん涼しく、過ごしやすくなってきた。冷房をつけなくてもすごせるくらいだ。 夜風が気持ちいいので調子に乗って窓をあけたまま寝たら、喉の具合がおかしくなった。外から乾燥した空気がはいってくるので、寝ている間にカラカラになってしまうのか…

泣いたっていいじゃない、人間だもの

里帰りから戻ってからこちら、平穏な日々を送っている。大学に入ってから一人暮らしを始めて分かったことが一つある。 私は一人の生活が性にあっているということだ。 例えば私は人と食事をするのが苦手だ。それは家族も例外ではない。 食べるのが遅いから自…

田舎ってやつは

米を炊こうと米びつを開いたら、中を羽虫が歩いていた。思わず「うぎゃー!!」と悲鳴をあげ、叩きつけるようにフタを閉じる。 な、なんで!?なんで米に虫が!? 前代未聞の大事件だ。大慌てで祖母に電話をかけた。 「もしもし、おばあちゃん!?」 「あら…

辛辣な優しさにほだされる

部屋ってどうして掃除をしてもしても、気がついたら散らかっているのだろうか。不思議だ。 たたんだはずの服も、しまったはずの本やマンガも、気がついたら部屋の中に散乱している。解せないのは、なぜ押入れにしまったはずの服が、いま机の上にあるのかとい…

抜いた歯は天井裏に投げるか、軒下に放ろう

人気のない山の麓に建てられた、とある建物。そこには老若男女問わず、数多くの人が訪れていた。 建物はいくつかの部屋に区切られ、それぞれの部屋で仰向けに寝かされた人々は、指や特殊な器具など、さまざまなものをいれられる。 中には麻酔をかけられ、ひ…

そんなに奥までいれちゃイヤ

暑くなってきて髪の毛がうっとうしくなり、美容院へむかった私。カリスマ系美容師にカットされ、イケメンの手によってシャンプーやマッサージを施されて、最高にいい気分。 ごきげんで晩ご飯をつくり、風呂にはいってシャンプーをしていたところ、口の中で不…

あなたの器用で分厚い手が好き

七月に入ってから、なるべく自炊をしている。惣菜やコンビニ弁当ばかりの食生活だと、なんだか心がすさむのだ。 しかし料理というのは、作るのに三十分から一時間くらいかかるのに、食べるのは数分で切ない。諸行無常を感じる。 結局惣菜なんかですまそうが…

階段でもなんでも、踏み外すととてもびっくりする

先週の初めごろに、ポストに一通の手紙が投函されていました。開いてみると、「一年分の通信料を請求するから振込みよろしく」という文面とともに、請求書がはいっていました。 家のネット環境を奪われるとなにもできなくなってしまうので、私はいそいそと銀…

将来よりも今が心配

昨日、懐かしい友人が夢に出てきた。 彼とは小学校から高校まで同じ学校だった。クラスが同じになって仲良くなったり、離れてなんとなく疎遠になったりということが続いていた。 高校三年生のときに同じクラスになって、同じグループでわりと仲良くしていた…

勝ちの裏には負けがある

あ、ありのまま、今おこったことを話すぜ! 「オレは夜ネトゲをしたり、マンガを読んだりしていると思ったら、外から朝日が差し込んできた」 な、何を言っているのかわからねーと思うが、オレも何をされたのか分からなかった。頭がどうにかなりそうだった………

心も身体もまだ健康

みなさんおはようございます。これを書いている今は、朝五時十六分でございます。 それではここでクエスチョンです!こんな明け方に、どうして私は起きているのでしょうか?(世界○思議発見風) 「おお、霞もついに心を入れ替えて早起きを始めたのか」と思っ…

奇想天外な私の街

最近目が覚めると、いつでも太陽が真上にある。いつの間に地球の自転は早くなってしまったのだろうか。不思議だ。 ついでに言うと、気がついたら外が明るんでいたりする。神様は日本が夜の間だけ、自転を早めているに違いない。 もちろんそんなわけはない、…

逞しく匂い立つのもいいが、かわいらしく甘えられるのも捨てがたい

週間連載になったり月間連載になったりと思ったら、もはや更新が止まってしまっているものってなーんだ? 答え:私のブログ。 もはやなんの言い訳も立たぬ。遊びほうけていたらこうなった。 書き始めた当初は、「少なくとも二週間に一回くらいは更新したいよ…

限界バトルはもうこりごり

近ごろ、なんだか体調が悪い。原因は分かっている。乱れきった生活習慣だ。 深夜まで飲み会をして、次の日の昼ごろに起きる。そして夜になれば、まだ飲み会にいく。こんな生活をしていれば当然だが、夜が更けてもちっとも眠れなくなった。 げに恐ろしきは酒…

雪やこんこん

昨日の天気予報で、「今日が冷蔵庫なら、明日は冷凍庫なみの冷え」と言っていた。これはまさかと期待していたら、そのまさか。今日は久方ぶりの雪である。 私の住む地域ではほとんど雪が降らないので、たまに雪が降るとみんなして大はしゃぎだ。冬は嫌いだと…

薬局で何をご所望ですか

久方ぶりの更新である。新年あけてからこちら、何かとバタバタとしていて更新が途絶えがちであった。ていうか完全に途絶えていた。忙しかっただけで、サボっていたわけじゃないんだからね。 この一月の間、なにが私を悩ませていたのかという問題に答えるのは…

その線を抜かないで

私の家の近くには、小学校から高校までそろっている。そのため、朝や夕方にでかけると、通り道でかならず学生たちに会う。 とくに大通りに出るには小学校の前を通ることになるので、わらわらと走る小さな子供たちをひいてしまわないか、気をつけながら自転車…

素直になりたくて2014

「もう勘弁しておくれやす!」と、大型ショッピングモールの中心で悲鳴をあげた。 「明日から学校も仕事も始まるんだから、お前ら家でゆっくりしろよ!」なんて、自分のことを棚にあげて唇をとがらせる。 私は人ごみが苦手だ。少しくらいなら平気だが、あま…

走馬灯を見る暇もなく

正月ということで、祖母の家へ行ってきた。 祖母の家は愛媛の田舎にあり、四国に入ってから車で四時間ほど走る必要がある。 いざ向かわんとなったところで、父にとんでもないことを提案された。 「今回はあんた高速の途中から運転してね」 「ほんき?死にた…

年が変わっても変わらずに

ふとパソコンの右下の時計を見ると、きちんと「2014/01/01」と表示されていて驚いた。確かに世界は2014年になったらしい。 私ときたら新年だというのに何一つ新年らしいこともせず、家でグータラすごしてしまった。元旦は何かをしてはいけない日だからな(開…

例えば風呂上りの彼氏の頭髪が心もとないのに気づいた瞬間

「君、中国に行ってみない?」 そう聞かれたのは、駅前の居酒屋で忘年会をしていたときだ。学部の忘年会で、教授と話しているときにもちかけられた話である。 なんでも中国の大学で、日本文化と日本語を教える教師を募集していて、その募集が私の通う大学の…

うならない俺の恋心

12月も半ばを過ぎ、年の瀬も大詰めである。もう一年終わるのかよ、早いよ。卒論もシューカツも間に合ってないよ! 急がば回れということわざに全てを託して遠回りをし、ちゃっかりブログを書いています。こんにちは。 自分のしたいことが分かっていれば迷う…

心に吹き抜ける寒風も遮っておくれ

道端ですれ違った、赤いシャカシャカを着たぽっちゃりした男の子と、青いシャカシャカを着たすらっとした男の子が、ほっぺたをつつきあっているのに見とれて、電柱に右膝を強打した。 往来で悲鳴をあげるわけにもいかず、「ふんっ……ぐぅ……」と苦悶の声をこら…